肩関節の動き
- yusuke.kubo0221@gmail.com
- 2018年11月12日
- 読了時間: 3分
更新日:2019年2月26日
肩関節の構成組織:肩甲骨
背中側から見た肩甲骨

肩甲骨は、薄く、平べったい形に、いくつかの突起物がくっついた様な形をしています。
この様な、複雑な形をしている肩甲骨があることによって肩関節の動きが生まれます。
お腹側から見た肩甲骨

肩甲骨は、肋骨を後ろから覆う様な構造をしています。
肩甲骨の腹側(前面)が、肋骨とくっついています。
肋骨と肩甲骨の間に、潤滑油の役割を果たしている肩甲胸郭関節が存在し、肩甲骨の動きをスムーズにしています。
肩関節だけでなく、ここの関節の動きが悪くなると、肩・腕の動きがスムーズに行えなくなります。
外側から見た肩甲骨

肩甲骨の外側には、円形の小さな窪みがあります。
この窪みに上腕骨がはまり込む形で肩関節が構成されています。
この窪みは浅く、上腕骨は筋肉によって肩甲骨に押し留められる様な構造なので自由に動きやすいですが、他の関節とは違い、靭帯などであまり固定されていない為に、肩関節は脱臼しやすいという面もあります。
肩関節の構成組織:上腕骨
前から見た上腕骨

上腕骨の上にある丸く膨らんでいる部分が肩甲骨に接しています。その丸い部分を覆う形で筋肉が付着しています。
上腕骨には様々なところに溝があります。この溝に筋肉が付いたり、溝の中を神経が通ったりします。下方には、前腕の骨との関節があります。
後ろから見た上腕骨

上腕骨を後ろから見た時に、肘を伸ばした時に尺骨が入り込む窪みがあります。この窪みが無いと、肘を伸ばしきる事が出来ません。上腕骨は前だけでなく、後ろ側にも溝が走っています。
肩関節の参考可動域
屈曲:180°
伸展:50°
外旋:60°
内旋:80°
外転:180°
内転:0°
水平内転:135°
水平外転:30°
肩関節の動作に関わる筋肉
屈曲: 三角筋前部繊維、烏口腕筋、大胸筋、上腕二頭筋
伸展: 三角筋後部繊維、大円筋、小円筋、広背筋
外旋: 棘下筋、小円筋
内旋: 肩甲下筋、大円筋、大胸筋、広背筋
外転: 三角筋、棘上筋
内転: 大胸筋、大円筋、広背筋
水平内転:三角筋前部繊維、大胸筋
水平外転:三角筋後部繊維、棘下筋、小円筋
肩甲骨と上腕骨の関係(肩関節腱板)
腱板とは
腱板とは、肩甲骨と上腕骨を結ぶ、板状の腱で出来た重要な部分です。
肩甲骨から上腕骨に向かって、上下左右から上腕骨を抱きかかえて肩甲骨に押し付ける様に走行します。
腱板を構成している筋肉は、棘上筋・棘下筋・小円筋・肩甲下筋の4種類です。
上腕骨を安定させるだけの筋肉ではなく、肩の動き自体にも重要な筋肉です。
(腱板部分のイラスト)
肩甲骨と上腕骨の関係(肩甲上腕リズム)
肩甲上腕リズムとは
肩甲上腕リズムとは、上腕骨を外転方向に動かす際に、大きく肩関節を動かす事が出来る様にする為の上腕骨と肩甲骨の連携による動きを言います。
これにより肩関節の外転方向への可動域は180°になります。
肩甲骨は、上腕骨との間に肩甲上腕関節。そして、肋骨との間に肩甲胸郭関節を構成しています。
この180°の可動域のうち、肩甲上腕関節で120°動かしています。
残りの60°を肩甲胸郭関節で動かしています。
この二つの関節と上腕を動かす時のバランスを肩甲上腕リズムと言い、肩の動きを見る時に絶対に考えるべきものです。

肩甲胸郭関節は、色々な肩の動きに関係があります。
右が上の時と左が上の時で背中に手をまわした時に、手同士がつくかどうかも肩甲胸郭関節が関わっています。
ここの動きが悪くなっていると、肩を動かす際の妨げになってしまいます。
肩の動きを作る為にもしっかりとストレッチをしておきましょう。
肩の動きには肩甲骨の動きが不可欠!!
肩を動かす時に、腕の動きばかり気にしていませんか?
実は肩の動きに重要なのは、むしろ肩甲骨だったりする場合があります。
肩甲骨の動きを柔らかく保つと、肩の動きがスムーズになります。
肩関節を動かす時にとても重要な肩甲骨と上腕骨の動き。
そして、それらを動かす筋肉の動きをしっかりと確認しましょう。
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