周りや自分自身でも実際になられて実感してる方もおられるのではないでしょうか?
欧米では『魔女の一撃』と呼ばれており、名前の通り身動きが取れないぐらいの激しい痛みがおこります!
レッスン中におこったとき、お客様からどうしたらいいか?対処を求められたとき、「とりあえず安静にしてください!」と言って対処を逃げていませんか?
今回はこの『ぎっくり腰』についての予防と対策についてお伝え致します。
ぎっくり腰ってなに?
正式名は『急性腰痛(きゅうせいようつう)』と言い、ほんのちょっとした出来事でおこる急激な腰の痛みのことです。
一般にぎっくり腰は、重いものを持ち上げたときに起こりやすいといわれますが、
実際には、咳やくしゃみをしたとき、ベッドや布団からからだを起こそうとしたとき、顔を洗うとき、椅子に腰かけて横や後ろのものを取ろうとしたときなど、日常の何げない動作をしたときに起こります。
『急性腰痛』と名前にもあるように、急に腰痛がおこり数日の間に症状は和らぎますが、長い方だと1ヶ月以上続くような場合もあります。
ぎっくり腰の主な原因は、はっきりと特定されていません。
筋肉や腰椎の捻挫・炎症、線維輪(椎間板の外側)の亀裂、その他原因となる可能性はさまざまです。
ただ姿勢が悪かったり、普段から腰に負担がかかっている場合におこることが多いですので、腰に負担がかからないような体にしておくことが大切です。
ぎっくり腰になったらどうしたらいいの?
ぎっくり腰になった生徒さんが来られた場合、「痛みが治るまで無理せず安静にしてください!」とお伝えしてませんか?
イギリスでぎっくり腰をした患者さんを、 ①「ベッドでの安静」 ②「治療家による施術を受ける」 ③「できる限り通常の日常生活を過ごす」 という3グループに分けて、どれが一番改善するのかという研究が行われました。
その結果
・「ベッドでの安静」を行ったグループが最も回復が遅く
・「できる限り通常の日常生活を過ごす」よう心掛けたグループが最も回復が早い
という結果となりました。
ぎっくり腰をおこした場合は安静にしましょう!というイメージがありますが、
実は動かした方が症状の改善は早いのです!!
ぎっくり腰をおこした直後は安静にしておく必要がありますが、動けるようでしたら痛みの範囲でどんどん動いていくことが大事です。
また安静にして動かさなければ慢性の腰痛や他の疾患に繋がりやすいので、やはり早めに運動を開始させておくことが大切です。
ぎっくり腰を予防する体づくり
ぎっくり腰を含む腰痛は、姿勢の悪さ・筋肉の筋力や柔軟性の低下が原因でおこる場合が多いです。
今回はぎっくり腰だけではなく腰痛を予防するための体づくりの仕方をお伝えします。
体幹を鍛えて腹圧を高める!
お腹には『腹腔(ふくくう)』という内臓が入っている空間があります。
この空間にかかる圧力のことを腹圧と呼びます。
この腹圧は腰とも大きく関係があり、この腹圧がしっかりとかかっていると背骨にも圧がかかり腰の骨が安定していきます。
「腹圧を高めるために腹筋を鍛えましょう!」という事を聞いたことがあるかと思いますが、皆さんが想像する腹筋のトレーニングでは鍛えられません。
一般的な腹筋(お腹が割れているときに見える筋肉)である『腹直筋(ふくちょくきん)』は体幹を屈曲させるときに使います。
腹圧は『横隔膜(おうかくまく)・腹横筋(ふくおうきん)・骨盤底筋群(こつばんていきんぐん)・多裂筋(たれつきん)』という肋骨より下に存在する4つが主に関わっています。
今回はこれらの筋肉を鍛えて腹圧を高め、腰に負担が掛からないようにするためのトレーニング方法をお伝えします。
1. プランク
体幹トレーニングで有名なプランクです。
肘を肩幅で肩の真下の位置に置き、体を持ち上げます。
背中をそらし過ぎず、腰を落としすぎずに、カラダを真っ直ぐにキープします。
最初は『1分間×3セット』できるようにしましょう!
慣れてきたら時間を延ばしていくようにしてください!
上下肢挙上トレーニング
四つん這いの状態になります。
そこから右手と左足を同時にあげてキープしていきます。
体幹と同じ高さでキープできるようにしましょう!
最初は『左右1分間×3セット』できるようにしましょう!
慣れてきたら時間を延ばしていくようにしてください!
まとめ
日常的に起こる機会の多い『ギックリ腰』、痛みが強い場合は安静が必要ですが、なるべく早い段階で体を動かしておくことがとても大切ですので、
インストラクターの先生は「安静にしてください」と指示をするのではなく、「できる限りで良いので体を動かすようにしてください」と声をかけてあげるようにしましょう!
またできるのであれば、無理のない範囲でレッスンにも参加してもらうのも良いと思います!
ギックリ腰でも怖がらずに適切な対応ができるようにしていきましょう!