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呼吸について 2

  • yusuke.kubo0221@gmail.com
  • 2018年12月11日
  • 読了時間: 4分

更新日:2019年2月28日

呼吸:肺でのガス交換の方法


肺が膨らむ事によって、空気が肺に入ってきます。

窒素が78%。酸素が20%。二酸化炭素などが合わせて2%です。




成人の平均は、一回の呼吸で空気を0.6リットル程吸いこみます。大気中の酸素は20%なので、およそ0.012リットルが肺に入っています。


安静時の成人の平均で毎分12回〜18回程度と言われているので、10分間呼吸しても、取り入れる酸素の量は、2リットルくらいです。


呼気の空気の内訳は、窒素が80%。酸素が16%。二酸化炭素が約4%に増加し、その他の成分が約1%ほど含まれています。


空気中と比べてやや比率は下がりますが、呼気中にも酸素はかなり多く含まれています。

なので、急病人で、呼吸が必要な人も、人工呼吸を行う事で延命処置をする事が可能です。


呼吸によって酸素を肺で取り入れた後は、肺胞に存在している毛細血管で酸素と二酸化炭素を交換して、酸素を体内に。二酸化炭素を体外へと運びます。

毛細血管でのガス交換は、濃度の差によって移動します。濃度の高い方から低い方へと移動します。肺の中は酸素の濃度が高く、二酸化炭素は血液中の方が濃度が高いので、拡散によって酸素が体内に入り、二酸化炭素が体外に排出されます。




肺で取り入れた酸素は、血流に乗ってすぐ心臓に運ばれます。

そして、心臓から全身に向かって、血流と共に運ばれて行きます。

運ばれた先でも、肺と同じく濃度の差によって細胞内の二酸化炭素とガス交換されます。その二酸化炭素は、また血流に乗って心臓を経て、肺に送られます。




肺機能について

私達は、呼吸によって酸素を取り入れなければ死んでしまいます。

肺が機能しなくなると、いわゆる呼吸困難に陥ります。


肺機能は、スパイロメーターという機械でいくつかの項目によって測ります。


肺活量:空気を胸いっぱいに吸い込んで、それを全て吐き出した時、どれだけの量の空気を吐き出したかを調べます。


%肺活量:年齢や性別から算出された予測肺活量に対して、実測肺活量の比率を調べます。


努力性肺活量:胸いっぱいに息を吸い込み、一気に吐き出した空気の量を調べます。


一秒量:努力性肺活量のうち、最初の一秒間に吐き出された空気の量を調べます。


一秒率:努力性肺活量に対する、一秒率の比率を調べます。


%肺活量が80%未満の場合は、肺の容量が少なくなる拘束性換気障害が疑われます。

一秒率が70%未満の場合は、空気の通り道が狭くなる閉塞性換気障害が疑われます。

両方に当てはまる場合は、混合性障害が疑われます。


近年、慢性閉塞性肺疾患(COPD)と呼ばれる疾患がよく見られるようになりました。

タバコを吸っている人がなりやすいと言われている病気で、COPDになってしまうと、

呼吸がしにくくなります。

肺が、胸郭の容量ギリギリまで膨らんでいる状態が普通になってしまう病気です。

一度、大きく息を吸い込んで、大きく吐き出してみましょう。

皆さんは簡単にできるかと思います。しかしCOPDになった人は、吐く事が出来ません。

それどころか、吸う事もままならなくなり、呼吸を行う事に必死で、酷くなると食事をするだけで息が切れて、食事がままならなくなります。








左が普通の人の肺。  右がCOPDの人の肺。

肺が縦長に伸びて、横隔膜が下に下がってしまっています。

肺の色はピンク色が普通ですが、タバコを吸っている人の肺は黒く肺胞が潰れてしまい、

酸素を取り込みにくくなります。



タバコは百害あって一利なし?

タバコを吸っている人の咽頭がんなどのリスクの示唆として、ブリンクマン指数というものがあります。

一日の喫煙本数×喫煙年数で求めます。

一日20本吸う生活を20年続けていた人は、20×20で400になります。


400を超えている場合は、肺がんリスクが高いです。

600を超えている場合は、肺がんリスクがより高いです。

1200を超えると、咽頭がんの危険性が高いです。


1日あたりの本数が少なくても、年数が長いとリスクが高まります。

その逆もまた同じで、年数が浅くても、1日の本数が多いとリスクが高まります。


この指数で重要なのは、タール数が考慮されないという事です。

1mmのタバコでも、20mmのタバコでも一本です。

IQOSなどの加熱式のタバコでも、一本としてカウントします。


例え、有害物質がどれほどカットされていても、有害性に濃度は関係ありません。

0.1%でも入っていれば有害なので注意しましょう。

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