今回は前回に引き続き『耳以外のめまいの原因』についてお伝えします。
耳以外のめまいといえば、多くの方が貧血や低血圧を思い浮かべるかもしれません。
血液が脳にいかないとめまいの症状がおこりますが、その他にも首なども大きな原因の一つになったりもします。
今回はそんな『耳以外のめまいの原因』と『めまいに効果的なツボ』をご紹介していきたいと思います。
耳以外のめまいの原因ってなにがあるの?
『めまいの原因と対処法①』で少しお伝えしましたが、
下の図のように耳のからの平衡感覚(へいこうかんかく)・視覚・身体の感覚からの情報が正常に脳に行き、調和がとれている場合はめまいはおこらないです。
しかし、これらの情報が正常に行かなくなると脳で情報の整理ができず、めまいをおこします。
視覚の情報に異常がおこるもの代表的なものは『乗り物酔い』です。
車から見ている『視覚の情報』と座っている状態の『カラダの情報』が合っておらず、カラダは止まっているのに視覚では動いているため、脳が整理できず酔ってしまいます。
特に子どもの頃は、脳の整理が追いつかないため乗り物酔いがおこりやすく、経験を積むことで乗り物酔いはおこりにくくなります。
また、遠くをみることも対象物が動かないため、視覚の情報が座っている状態に近くなり、酔いを予防できます。
耳以外はふらつくようなめまい
耳にはあらゆる方向からの情報を察知できるような構造になっているため、回転性のことが多いです。
逆に、耳以外に原因がある場合には、グラグラするような・ふらつくような感覚のめまいのことが多いです。
ただあくまで多いだけですので、めまいの種類だけで判断しすぎないように気をつけてください!
脳が原因のめまい
では重要な脳から見ていきましょう!
先ほどもあげたようにそれぞれの情報を統合して判断しているのは、脳がおこなっています。
脳に血液が行かなかったり、脳に異常がおこった場合にめまいがおこります。
1.椎骨脳底動脈機能不全(ついこつのうていどうみゃくきのうふぜん)
あまり聞きなれない病名だと思いますが、これは首の骨の間を通る血管に異常があることでおこります。
首を通る血管を『椎骨動脈(ついこつどうみゃく)』と呼びさらに、それらが合わさって脳に繋がる『脳底動脈(のうていどうみゃく)』と呼びます。
椎骨脳底動脈機能不全とは、脳に血液を送る際に重要な役割を担う椎骨動脈や、脳底動脈の血液の流れが一時的に低下する状態のことをいいます。
椎骨脳底動脈循環不全は、
主に『動脈硬化(どうみゃくこうか)』によって椎骨動脈、脳底動脈が狭くなってしまい、脳への血流が低下することから発症します。
動脈硬化は、運動不足、栄養バランスの悪い食事、肥満、糖尿病や高血圧、高脂血症、喫煙習慣、ストレスなどが原因になって進行します。
頚椎に問題がある人は要注意
図のように椎骨動脈は首の骨である頚椎(けいつい)の間を通っています。
動脈硬化以外にも、頚椎に問題がある人は椎骨動脈が頚椎(けいつい)の一部によって圧迫されることによって脳に血液が行かなくなる場合があるので、インストラクターの先生は特に首に問題がある方が来られた場合には注意が必要です。
2. 脳梗塞(のうこうそく)
脳の血管が狭くなったり、血栓(けっせん):血液が固まって血管が詰まることによって、脳に血液が行かなくなった状態です。
脳の血管が詰まってしまう事で脳に栄養が行かなくなって脳細胞が死んでしまうため、その場合は後遺症となって現れます。
脳梗塞では以下のような症状が現れます。
・手足の脱力(麻痺):箸を落とす、足がもつれるなど
・半身(手足)がしびれる
・言葉が出てこない、つじつまの合わないことを言う
・ものが二重に見える口がもつれる(酔っぱらいのような話し方になる)
・めまいがしてふらつく
上記の症状はすぐにおさまることもあり、これを『一過性脳虚血発作(いっかせいのうきょけつせいほっさ)』と呼びます。
ただ、すぐおさまった場合でも脳梗塞がおこる場合がありますので、必ず病院にかかるようにしましょう。
その他の原因のめまい
貧血や低血圧といった脳に血液が行かなくなった場合や自律神経の失調などによってめまいを引きおこす場合があります。
1. 貧血(ひんけつ)
血液の中には赤血球(せっけっきゅう)と呼ばれる、酸素を脳やカラダに運ぶ物質があります。貧血はこの赤血球が少なくなったり、しっかりとした赤血球が作られなくなった状態のことを言います。
特に多いのは『鉄欠乏性貧血(てつけつぼうせいひんけつ)』と呼ばれる貧血で、これは赤血球の中にある、鉄分とタンパク質でできた『ヘモグロビン』が、鉄不足や出血などによっておこります。
女性の場合は、生理で血液を外に出さなければならないため、男性よりも貧血を起こす割合が高いです。
栄養をしっかりと摂るように心がけましょう!
鉄欠乏性貧血の場合は栄養の中でも特に鉄分をしっかりと摂るようにしてください。
しかし、このタイプの貧血だけではないので、ビタミンB12や葉酸といった栄養素も偏りなく摂るようにしましょう!
2. 起立性低血圧(きりつせいていけつあつ)
こちらも貧血と同様にめまいをおこす代表的な病気です。
血液は急に立ち上がると、重力の影響を受けて下半身に集まります。
通常は血管を調整している自律神経(じりつしんけい)が下半身の血管を縮めて圧を高めることで血液を押し上げ、上半身の血液を保つように働きます。
しかし、自律神経が乱れると、血管を縮める反応ができなくなってしまい、上半身の血液が不足し、脳の血液の流れが一時的に少なくなり、立ちくらみが起こります。
主な症状は立った時にふらつく
名前の通り起き上がったり立ち上がったりして、頭部の位置が急に上に移動したときに、ふらついたり、気が遠くなったり、めまいを起こします。
また、学校の集会などで長時間立っていて立ちくらみを起こすケースもあります。
まずは生活習慣の見直し!
自律神経の乱れからおこる場合が多いため、規則正しい生活と疲れを溜めないことが大切です。
立ちくらみを起こしやすい人は、立ち上がるとき、起き上がるときになるべくゆっくりと動くことを心がけます。
特に、湯船から上がるときには気をつけてください。
弾性(だんせい)ストッキングで、下半身の血液が押し上げられるのを助けるのも有効です。
3. 視力が左右で合わない場合
左右の視力が大きく違う場合やコンタクトレンズの度があっていない場合は、左右の目からの情報が違い、脳が情報を整理できずにめまいを引きおこすことがあります。
一度きちんとした検査をして自分にあったコンタクトを使うようにしましょう。
4. 首の筋肉の異常による場合
首の筋肉が極度に疲労するとめまいがおきることがあります。
首の筋緊張によって首を使っていないのに首の筋肉から情報が脳に伝わってしまうことで、情報の整理ができず、めまいを引きおこします。
めまいの多くはふらつきを感じるめまいですが、周囲がぐるぐるまわる回転性のめまいの要素が加わっている場合もあり、長時間続くのが一般的です。
めまいの他にも肩こりや頭痛といった症状が伴います。
まとめ
2回に分けてめまいの原因と対処法について書きましたが、めまいの原因はさまざまで今回はインストラクターの先生に知っておいて欲しいものをご紹介しました。
怖いめまいは脳が原因のもの
めまいを伴う最も重大な病気は脳の障害です。
めまいだけでなく、激しい頭痛や嘔吐、まひやしびれ、ものが二重に見える、ろれつが回らない、意識がもうろうとするなどの症状が現れた場合は脳からの場合があるので要注意です。
耳が原因のめまいと違って、難聴や耳鳴りを伴うことはありません。
ただ、脳からではないと思った場合でも、実は脳の病気が隠れている場合があるので注意が必要です。
まずはリラックスさせることをこころがけましょう!
めまいの原因の多くは自律神経の乱れによって引きおこされます。
自律神経の乱れによっておこっている方は、リラックスできる時がなかったり、仕方がわからないと言われる方が多くおられます。
レッスンの中でリラックスさせることによって自律神経を整えていくように心がけましょう!
また首とめまいは特に関係が深いため、首の動きはチェックしておくようにしてください!